Research of Nishi Lab

研究概要

有機合成化学は、日常生活や先端技術に必要な有機分子をつくり出す科学技術であり、社会が求める環境融和性や効率性を保持しながら進歩している。われわれの研究室では、酵素を凌駕する微量で作用する金属分子触媒を用いる触媒反応や不斉反応の発見、新しい光学活性分子の合成方法の開拓を進めている。

研究テーマ

・金属錯体を用いる触媒的かつ効率的な有機合成法の開発
・金属錯体の設計と新しい反応様式の発見
・不斉配位子(キラル分子)の創製と触媒的不斉合成への応用
・有機・金属ハイブリッド分子の合成と触媒反応への応用

金属触媒

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金属原子を組み込んだ分子性触媒をつくるには、金属原子を取り囲む有機分子(配位子という)をつくり、共有結合や配位結合で金属原子と結合をつくらなければならない。また、金属原子は触媒の活性中心として働かなければならないので、配位子の立体的かつ電子的な設計が重要となる。

 われわれは、三点で金属に結合する配位子を考案・合成し、金属原子を埋め込むことに成功している。金属の酸化数を制御することにより、さまざまな反応活性を生み出している。三点にすることにより、錯体の配位構造を安定化できる利点がある。

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特に、オキサゾリン骨格に不斉環境を導入して光学活性配位子として機能させることに成功した。
開発した不斉反応:
 ○不斉還元的アルドール反応 ○オレフィン類の不斉ヒドロシリル化
 ○不斉共役還元反応 ○不斉直接的アルドール反応
 ○不斉アルキニレーション反応 ○不斉シクロプロパン化
 ○不斉ボリル化反応 ○不斉水素化反応
使った遷移金属原子:ロジウム、ルテニウム、パラジウムなど

鉄、コバルト、亜鉛を使った不斉触媒反応

環境調和型の触媒、非貴金属(安価)で低毒性な触媒の開発という社会の要請に応えるべく独自の不斉触媒分子を設計。
○ 不斉鉄錯体の合成
○ 不斉ヒドロシリル化反応:ケトン類の還元反応
○ 三座配位子の利用、生成物の絶対配置の制御合成